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今年で芸能生活28年を迎えたはるな愛さんが、新曲「まぼろしザ・ワールド」をリリース。この曲は、12月にアメリカから来日する男性ばかりのバレエ団、グランディーバ・バレエ団の応援ソングに選ばれました。 ご自身が歩んできたショーの道のり、そしてこれからの夢について語っていただきました。(構成◎岡宗真由子 本社◎奥西義和)
月に1度はエンタメの本場、ニューヨークへ
5年くらい前から、月に1回は日本のお仕事のお休みをいただいて、ニューヨークへ行きダンスのレッスンを受けています。ニューヨークはショーの本場なので、レッスンも厳しい。私の通う教室の生徒はほとんどがプロなので、ついていくのがやっとです。それでも最高に楽しい時間を過ごしています。
私が初めてニューヨークに行ったのは、バラエティ番組のロケの時でした。その番組でもショーに出るレッスンをしていただいて、曲がりなりにもオフブロードウェイの舞台に立つことができました。それからニューヨークの魅力にハマってしまい、たびたび行っては舞台を見て、劇場に出演するためのオーディションも受けています。アポロシアターの「アマチュアナイト」にも出ましたし、“ブロードウェイ・コメディー・クラブ”という老舗のクラブでの単独ライブも実現することができました。
来月はロサンゼルスでフェスに出場する予定です。海外って本当にチャンスが身近にあるんですよね。特にハリウッドではラーメン屋で隣り合わせた人に声をかけられて映画に出る、なんて話も日常茶飯事。その分気が抜けません。(笑)
ロスのフェスに出る時にはハリウッドで路上ライブをして帰ろうと計画しています。自分でデザインした花魁風ギャル着物を着て、ハリウッドの名所“チャイニーズシアター”の前でビートだけで歌う路上ライブです。ホテルから着物を着て移動している間とかを考えると度胸がいりますけど、「今やらなくていつやるの?」と、いつも自分に言い聞かせています。でも向こうの方って、いいと思ったら見ず知らずの人にでもすぐにお褒めの言葉をかけてくれる。だからこちらも勇気が出るんです。例えば、お店のレジで私のネイルが素敵だと思った店員さんが、「見せて~、本当に素敵ね」と言って誉めてくれたりします。私の後ろに長い列が出来ようとも構わずに。そういうカルチャーを含めて海外で過ごすことは、いい刺激になります。
2009年にタイで開催されたトランスウーマンによるビューティーコンテストの頂点「ミスインターナショナルクイーン」で優勝しました。その時、クイーンを獲るために競い合った世界中の人たちとの交流が生まれたんです。そこで知ったのは、私たちのようなLGBTに対して差別があって、居場所がない国もまだまだ多いということ。それから私自身、活動の場をもっともっと広げたいと感じました。そんな思いもあり、海外での活動には力を入れています。