いつ動き出すか
ともかく、家庭内で「健康で文化的な生活」を送るためにはサイクルをうまく回していくしかない。
そうは言われても、目の前の生活がひっ迫していない以上、すぐに動けない、いつかやればいい、と先延ばしにしてしまうかもしれません。私自身、長い間現実を見ないままに危機を先延ばしにしつつ、漠然とした不安な毎日を送っていました。
でもコロナ禍をきっかけに、始めて本当の「危機」を感じたことで、やや後ろ向きながら、とりあえず動きだすことはできた。足元の物価高がまだ来ていない、あのタイミングで動き出せたのは、ある意味で幸いなことだったのかもしれません。
無理やりでも動き出した結果、調べては実践、失敗、また調べては実行、というサイクルを重ねることになりました。それは食事だけではありません。たとえばエアコンにかかる電気代と体調を考えた際のベスト温度や、洗濯においての水量と汚れと洗剤のベストバランスなどなど。
小さな積み重ねではありますが、実践と失敗を繰り返す中で私もPDCAをまわしていたわけです。そしてその結果が、今の「節約生活」に結びついているとあらためて実感しています。
なので、私のブログを見て、メッセージを送り、仕組みを可視化してくれた方には感謝しかありません。
こうした生活の中でうまれた考え方や習慣のようなものは、たとえば「自宅でうまく最期を迎えるには?」といった、これから先に待ち受けるさまざまな課題にも応用できるのではないか、と今あらためて感じています。
『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(著:紫苑/大和書房)
71歳、ひとりシニア。子どもたちが結婚してから60代で都内に小さな中古住宅を買った紫苑さん。フリーで仕事をしていたため、年金はわずか月5万円と、お金はないけれども不安はないし、今が一番幸せ。あるものを工夫する豊かで楽しい日々をご紹介。