前期世代と後期世代
その後、景気はいったん底を打ち、1995、96年ごろは徐々に回復傾向にあるようにすら思えた。
ところが、97年の秋になって、北海道拓殖銀行と山一證券が相次いで破綻、金融危機の様相を呈し、翌98年にかけて景気が一段と悪化した。
この影響が出始めるのは、98年に就職活動をし、翌99年3月に卒業した学年からである。
図序-1を見ても、99年卒から、就職率や求人倍率ががくんと下がり、2000年代初頭にかけては過去30年間で最低の水準まで落ち込んでいたことがわかる。
このように、97〜98年の金融危機の前後で、雇用情勢はかなり異なる。
この点を踏まえて、本記事では、93〜98年卒を「氷河期前期世代」、99〜04年卒を「氷河期後期世代」と定義して、区別する。
氷河期前期世代はそれ以前の売り手市場との激しい落差を経験した世代、氷河期後期世代は雇用の水準そのものがどん底だった世代だ。