ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さん。2017年NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックでも話題となった、ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアート「MINIATURE CALENDAR」で創り出された世界は、日本のみならず世界を魅了しています。Instagramのフォロワーは370万人以上。今回は『婦人公論』(10月号)にも掲載中、靴磨き用の豚毛のブラシを畑に見立てた作品について。
~四季を感じて~
ブラシの「二毛作」
同じ農地で年に2回、異なる作物を作ることを「二毛作」と言います。
例えば、春から秋にかけては田んぼとして稲を作り、 収穫を終えると、水を抜いて畑として麦を育てたり。植物を「毛」に見立てるあたり、昔から日本人の中に見立てが根付いていたことがわかりますね。
そう考えると、季節ごとの動物の毛の生え替わりも畑と似ているように感じて面白いです。
今作は「二毛作」という言葉から着想を得て、靴磨き用の豚毛のブラシを畑に見立てました。
本来とは異なるブラシの使い方をしているという意味では、まさしくブラシの「二毛作」です。