「1000万円あげる」と言われたら

荻原 これまで3年以上節約生活を続けてこられて、「良かった」と感じることはありますか?

紫苑 以前の私は自分に自信がなくて、こんなふうに人前で意見を言うなんてできませんでした。でも、とても無理だと思っていた月5万円の収入でも、楽しい生活が送れるようになったことで、自信がついたといいますか。

荻原 今の紫苑さんは、自分の生活をきちんとコントロールできたことで、自己肯定感が高まったんですね。

紫苑 きちんとできているかどうかはわかりませんが、無用な物欲から解放された今の暮らしが心地いいんです。だから、たとえば今「1000万円あげる」と言われても遠慮します(笑)。「そんな大金、何に使うの?」って。

荻原 お金で手に入れた幸せは、お金がなくなったらおしまい。でも、「お金がなくても幸せ」は無限大なんですね。

紫苑 なによりも、この先の不安がなくなったことが一番うれしい。月5万円で楽しく暮らしていけるんだから、何歳まで生きてもまったく不安はない! と。(笑)

荻原 どれだけ高収入であっても、お金の問題って、心配しだすとキリがないんですよ。今の生活を心から楽しんでいらっしゃる紫苑さんのお話、とても勉強になりました。

紫苑 こちらこそ! 数年前までお金のことなんてこれっぽっちも考えていなかった私が、こうして荻原先生とお話しすることができたのも、節約生活のおかげです。