なすべきは
その言葉を聞いた頼通は息をのみます。
さらに「本来お支えする者がしっかりしておれば帝はどのような方でも構わぬ。されど帝の御心をいたずらに揺さぶるような輩が出てくると朝廷は混乱を来す」と続ける道長。
「いかなる時も、我々を信頼してくださる帝であってほしい。それは…敦成様だ」と話すと頼通は「はっ!」と道長に従う姿勢を示します。
続けて「家の繁栄のため…ではないぞ」と告げる道長。
頼通に近づき、その目を見つめると「なすべきは、揺るぎなき力をもって民のためによき政を行うことだ。お前もこれからはそのことを胸に刻んでおけ」と力強く告げるのでした。