最初の話し合い

教室に入ると、机を4つ並べて正方形にしたものが9組置かれていた。それぞれに2人から4人の生徒が座り、全部で25人の生徒がいた。

毛糸の帽子と野球帽をかぶった生徒が3人いたが、服装は自分で決めることなので問題はない。紙の教科書はなく、それぞれのグループで1人から3人がパソコンを開いていた。

『フィンランドの高校生が学んでいる人生を変える教養』(著:岩竹美加子/青春出版社)

その日のトピックは「良い人生」だった。小中学校でも教えているので新しいものではなく、馴染んだテーマだ。

授業は先生の話、アニメを見ること、机ごとのグループでの5分間の話し合い3回で構成されていて、先生は自分の机でパソコンに向かい、話したりプロジェクターで白板にトピックを投射したりしていた。

グループでの最初の話し合いでは、良い人生のために必要なものは何かをテーマとして、10個を5分間で書き出すことが課題だった。

一人が紙に書き、5分たつとグループで出されたことを読み上げる。衣食住などの基本的なニーズ、家族、健康、愛、友達、趣味、お金などが挙げられていた。