大人の肌にこそオイルが大活躍
顔やボディ用の美容オイルを使ったことがないという人は、案外多いかもしれません。その理由として、「ベタついてしまうのでは?」などとネガティブな印象があるのではないでしょうか。けれどオイルは、大人の肌にとってメリットがいっぱい。活用しない手はありません。
「オイルの魅力の一つは、加齢によりターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れ、厚くなってしまった角質をやわらかくすることです。すると古い角質が剥がれやすくなり、その後に使う化粧品の浸透が高まって、効果を感じやすくなるのです。カチカチに硬くなった土壌と、しっかり耕した土壌に水を与えた時の違いと考えるとイメージしやすいでしょうか。しかも、更年期以降はエストロゲン(女性ホルモン)の減少により皮脂バランスが崩れ、肌全体は乾燥しているのに一部分はテカる、というアンバランスな状態になりやすい。それを防いだり、日中の外的刺激から肌を守ったりする働きもオイルにはあるのです」と話すのは、オイルコンシェルジュのYUKIEさん。
とはいえ、巷にはさまざまな種類のオイルがあり、何を選べばいいのかわからないという人も多いでしょう。
「オイルの種類は、大きく分けて3つ。1つは炭化水素系。『スクワラン』がこれにあたり、もともと人間の皮脂にもあるスクワレンという成分に水素を添加したものです。皮脂同様、肌を守る働きがありますが、酸化しやすいというデメリットも。2つ目はワックスエステル。これは肌の皮脂の約25%を占めるミツロウに似た油で、『ホホバオイル』が該当します。この油は長時間放置しても酸化しないのが特徴。ワックスエステルは、ほかの油と違って食事で摂取できないため、肌につけることが補う唯一の方法なのです」(YUKIEさん。以下同)
3つ目は、中性脂肪。アルガンオイルやバオバブオイル、マルラオイルなど、植物種子オイルの多くがこれに当てはまります。「中性脂肪のブレンドオイルは、足りない成分をまんべんなく補えるのが魅力。ただ、オイルの精製度によって酸化しやすいものもあるため、使用期限を必ず確認し、基本的には3ヵ月ほどで使い切るようにしましょう。酸化したオイルを肌につけると刺激となり、肌荒れの原因になることもあるので注意してください」