「自分史サロン」で参加者が作成した個性あふれる作品の数々。本の形から冊子、手書き原稿を和綴じしたものまでスタイルもさまざま(撮影:本誌編集部)

どのような形式を選ぶかで、予算も変わってきます。自分で書いた原稿をプリントアウトしてホチキスでとめる程度なら、コピー代と表紙代ぐらいで作ることが可能。1~2回のインタビューで作品に仕上げる、10~20万円の自分史作成サービスも登場しています。

自分で書いた原稿を、専門業者に頼んで「本らしい本」にする場合は、50~100部ほど印刷するとして、100万円前後みておくといいでしょう。

最後に、期日について。夫婦の記念日や米寿の誕生日など、はっきりした予定があるとスケジュールが立てやすいものです。とはいえ基本は自分の楽しみのために作るものなので、「88歳の誕生日に間に合わなければ90歳記念でも」くらいの、ゆったりした気持ちで取り組むことをおすすめします。

ひとりでまとめる自信がない方は、私が開催してきた自分史サロンのような、「自分史を語って作れる場」を利用するのも一つの手。また、「自分史活用推進協議会」のホームページ(https://jibun-shi.org/)で、お住まいの近くで活動する自分史活用アドバイザーを見つけ、相談してもいいでしょう。

次ページに具体的な作業の手順をまとめたので、これを参考に、世界でただ一つの物語である自分史を作ってみてください。