まひろを愛した男達

━━まひろ/紫式部を愛する男性には、藤原道長(柄本佑さん)、藤原宣孝(佐々木蔵之介さん)、周明(ヂョウミン・松下洸平さん)の3人がいました。3人はまひろにとってどんな存在で、どんな影響を与えたと思いますか。

道長との関係は、説明するまでもなく、ソウルメイトと言われる通りに、お互いが分かり合っている。言葉はいらない関係。

『光る君へ』では、月を見るシーンが多いです。道長とまひろが2人で見たり、お互いに違う場所で見たり。月は2人の関係を表現している。月は雲に隠れても、いつもそこにありますよね。見えていなくてもある。道長が1人で月を見上げれば、まひろを想う。まひろが1人で月を見上げる時は、道長を想っているのです。

まひろの夫の藤原宣孝は、幼少期からのまひろを知っていて、妻も妾(しょう)もいました。史実でもかなり年上で、結婚して間もなく亡くなっています。

全てお見通しでいながら、まひろを自由にさせてくれる寛大な人。まひろが産んだ娘は、自分の子ではないと分かっていたのですが、大きな心で包んでくれる。その豪快さに、まひろは影響を受けました。そして、まひろを面白い人間にさせてくれる魔法の力を持っていました。

一緒に歩く周明(松下 洸平さん)とまひろ(吉高 由里子さん)と乙丸(矢部 太郎さん)
写真提供◎NHK 以下すべて

周明とは、まひろが父親の藤原為時(岸谷五朗さん)が越前に赴任し、ついて行った時に出会う。周明は宋の見習い医師ですが、貧しさから家族に捨てられた過去がある。まひろも幼い頃に母親が殺され、居場所がない気持ちになった経験がある。お互いにどこか似た部分があることを感じて、惹かれ合う。友情か?恋心か?でも、2人でここではない何処かには行けない。越前編だけで、松下洸平さんの出演が終わるなんて、私は思っていませんでした。(笑)

――第45回で、まひろは大宰府で周明と再会を果たし、時を経て歩み寄ります。ところが、2人は「刀伊の入寇」(異国の海賊が沿岸を襲撃)に巻き込まれ、転んだまひろを助けようとした周明は敵方の矢を受けて命を落としてしまう…。このシーンについてはどんな心境で演じておられましたか?

まひろはどん底に突き落とされて、抜け殻のようになります。そして、生きる意味を考える中で「生きていることは悲しいことよ」という心境にまたなったんでしょうね。まさに紫式部の描く「もののあわれ」ですね。周明の影響力は大きかったです。