コンテスト開催のモチベーション

ーー以前、ベテラン編集者から「出版業は乾物屋だ」と言われたことがありました。「何年もかけて素材を吟味して商品にする。それを店頭に並べたら、いつか来る客のために腕組みして待つのが出版。君のように新鮮な素材を急いで料理して、宣伝して売ろうとするのはサラダ屋で、出版じゃない」って。

出版に限らず、コンテンツを形にする仕事には多かれ少なかれ、そういう側面があったのではないでしょうか。

あらためて自分自身の歩みを振り返っても「自己満足だったんじゃないか」と反省するところはあります。

なるべく多くの人に届けるためには、ちゃんとメッセージを伝えるにはどうしたらいいのか、というところまでちゃんと考えるのが、本来は作る側の責務ですよね。

本にしろ、テレビにしろ、別の形に変えたり、広げたりしながら、消費者へ届けるまでが仕事。そうした想いが、今回の『東洋医学はなぜ効くのか』コミカライズコンテストを開催したモチベーションにもなっています。