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共倒れの危険あり。専門家の力を借りて

なかなか自立しきれない娘に対して、親がズルズル資金援助を続けているケースですね。これはまず、援助のリミットをきちんと設定する必要があります。このままだと親子で共倒れになりかねません。

重要なのは、ファイナンシャルプランナーのような専門家に入ってもらうことです。家族だけで経済的なプランを立てようとしても、考慮すべき項目に抜けが生じがち。そもそも「娘がこの先も自立しない」という前提なので、家族だけで話し合っても進まないでしょう。

なので、ここは専門家の冷静な目で、今後見込まれる収支、介護費用、家の維持管理費などを計算してもらう。そのうえで、援助の上限を設定します。

大切なのは、あなたがひとりで気をもむのではなく、夫やほかの子どもたちも巻き込むこと。これは財産分与などにも影響する、家族全体の問題なのです。話し合いを辛抱強く繰り返し、家族が理解して納得していくことになるでしょう。

ここでありがちな懸念としては、娘の精神的な不安定さは自分に原因がある、と母親側が思いこんでしまうことです。成人した娘を「ウチの子」と言っていませんか? まだ自分が守るべき存在なのだ、と心の底で考えているかもしれない。だとしたら、親子ではあっても大人同士、と割り切る必要があります。

なお、援助を余儀なくされている親が、「あまり余裕がないの」「親が死んだらどうする気」などと、漠然とした不安感や危機感を子に伝えるのはNGです。不安を煽って子どもを動かせるのは、せいぜい思春期まで。成人した子の場合、かえって関係が悪化しがちです。

そんな事態にならないためにも、専門家とともに具体的なライフプランを立ててみることをおすすめします。

Q3につづく