「相手にとって心地よい伝え方」を徹底する

私は次のように添削しました。

「おはよう。今日は寒いですね。ゴルフ、調子はどうですか。今年はドライバーがさらに飛んで、コンスタントに80台で回れるようになるといいですね」

ここまではほぼ一緒ですが、次の一文を付け加えました。

「私も足手まといにならないくらいのスコアを目指します」

『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(著:岡野あつこ/講談社)

繰り返しになりますが、妻の目的は「ゴルフに誘ってもらうこと」ですので、このくらいの書き方をしたほうが「可愛げ」があると思うのです。

普通ならもっとストレートに「今度ゴルフに行きましょう」と書けばいいのですが、この夫婦はすでに破綻寸前で、そういった普通の書き方が逆にわざとらしく、警戒される可能性があるため、こういった書き方にしてみました。

人によっては、媚びを売っているとか、女性がへりくだりすぎていると違和感を持たれるかもしれません。

ただ、このケースの夫は、経営者で、多数の部下を使う立場でした。いろんな人からおだてられるのが当たり前という人だったので、それも加味して、徹底的に下手に出た文面のほうがいいと思ったのです。

いずれにせよ、「相手にとって心地よい伝え方」を徹底していると、それだけでもこじれていた夫婦関係が少しずつ改善していきます。

夫婦の片方が伝え方を変えると、不思議と相手も態度を改めてくれるのです。