(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」によると、2023年の離婚件数は18万3814組で、前年の17万9099組より4715組増加しました。そのようななか、約4万件のトラブルを解決してきた離婚カウンセラーの岡野あつこさん曰く「近年は<モラハラ>や<価値観の相違>に由来する離婚相談が増えている」とのこと。そこで今回は、岡野さんの著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』より一部を抜粋してお届けします。

「可愛げのあるLINE」で関係改善を目指す

次に示すのは、私が実際に添削したLINEメッセージの例です。

「おはよう。今日は寒いですね。ゴルフ、調子はどうですか。今年はドライバーが飛んでコンスタントに80台で回れるようになるといいですね。応援しています」

この相談者は女性で、夫は愛人にマンションを買い与えて、そこで一緒に暮らしています。別居状態で、夫としては離婚したいようですが、相談者である妻は何とか夫婦関係を改善したいと思っています。

妻のほうには、「いずれ夫と一緒にゴルフに行く」という目標があります。

愛人はゴルフが下手で、夫はゴルフに連れて行かないそうです。そのため妻は夫と一緒にゴルフコースを回れるレベルまでスコアをあげて、一緒にラウンドして2人の関係を取り戻すことで、離婚を回避したいのです。

私は妻に「伝え方」を徹底的にレクチャーしました。その成果もあって夫の態度が軟化し、もう少しでゴルフにも誘ってもらえそうな雰囲気でした。

先ほどのLINEはその状況で妻が送ろうとしていた文面です。

どうでしょうか。このメッセージを読んで、「一緒にゴルフに行きたい」と思えるでしょうか。

正直、そうは思えないという人のほうが多いと思います。

原因は、「堅苦しさ」にあります。「調子はどうですか」「応援しています」という書き方はどこかよそよそしく、あまり「仲のいい夫婦」のような感じがしません。