「じゃんけん」大会から「何でもあり」大会へ
そんな「THE MANZAI」がM-1に与えた影響は、さっきもいったように、かなり大きかったと思います。
まず、5年のブランクを経て開催された2015年のM-1は、歴代のチャンピオンが審査員を務めるといった点で、以前よりバラエティ色が強くなっていました。
その後のM-1を見ていても、たとえばネタが終わった後の司会者との絡みでボケる人なんて以前はほとんどいなかったけど、今はみんな1笑い、2笑いくらいはとっています。そんな「平場の面白さ」でも、お客さんを楽しませる大会になっています。
M-1は、もちろん今でも競技色は強いし、スベるときは容赦なくスベります。ヒリヒリするところも健在だけど、以前とは打って変わって、バラエティ色もかなり強くなっている。
それが「漫才とは何か」「漫才とはこうあるべし」みたいな感覚からの”規制緩和”にもつながって、かつて「じゃんけん大会」だったM-1が、今のような「超多様な大会」になる1つのきっかけになったんやと思います。