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最後の映画スター・高倉健さんが83歳で逝去されて10年が経ちました。1996年に知り合い、17年寄り添ったパートナーの小田貴月さんによる、家庭料理を紹介したフォトエッセイ集『高倉健の愛した食卓』が刊行に。毎日の食事だけでなく、夜食やスイーツまですべて手作りだったというお家ごはんの内容をご紹介します。
わが家のカレーライス
「ロケ先で食べるのは、やっぱりカレーが一番多かったかな。完全に火が通っていて煮込んであるし、何てったって外れが少ない。これ美味いよ。週一回は、このカレーがいいな」
高倉が大好きだったわが家のカレーライスは、市販のカレールーを組み合わせてやや辛口に仕上げました。
オイルは、匂いが少ないグレープシードオイルを少々、にんにくと生姜で香りを引き立たせてから、肉そして、野菜を炒めます。肉から出る油もご馳走です。
その油で野菜を炒め、その時の気分でクミン、コリアンダー、シナモン、ナツメグ、オールスパイスなどの香辛料も加えることがありました。
カレールーを加えて煮込んでから、仕上げの隠し味に穀物酢とケチャップを少量ずつ。
肉は豚肉、牛肉、鶏肉、時には魚介類など変化を持たせ、自家製ナンを焼いて添えることもありました。
「ピザの焼き窯があったら、このナン、もっと美味しくなるかな。キッチン、改造したくなるね」
※本稿は、『高倉健の愛した食卓』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。
『高倉健の愛した食卓』(著:小田貴月/文藝春秋)
高倉健さんに17年寄り添ったパートナーの小田貴月による、健さんが生前召し上がっていた家庭料理を紹介するフォトエッセイ集。
約1年かけて料理を作り、自然光の中、自宅で撮影した料理とともに、健さんの食にまつわるエピソード満載の心和む1冊です。
2014年11月10日に83歳で逝去した最後の映画スターのキャリアとその時代を振りかえりながら、映画俳優にこだわった高倉健としての生き方、美学を紹介します。出演作品や本人の言葉とともに遺した愛用の品々などとともに高倉が求め続けた何か大切なものを現代に伝える企画です。本名・小田剛一が高倉健として映画デビューし、その後、様々な経験を重ねながら、常に高倉健として生きてきて、高倉健として人々に見送られた姿を展観します。
会場: よみうりギャラリー(東京・大手町 読売新聞ビル3F)※入場無料 ※平日は先着200名様にポストカードを会場隣接のよみうりショップで配布
開場時間: 10:00~19:00 *土曜~17:00
ただし17 時以降および土曜日は一部コンテンツをご覧いただけません。
主催: 読売新聞社
企画協力: 高倉プロモーション
協力: 日本映画放送