縁結び社で「私たち結ばれないのに、大丈夫?」
上賀茂神社では、紫式部も参拝したと伝わる縁結びの神様「片山御子神社」(通称・片岡社、上賀茂神社の第1摂社)に足を運んだ二人。紫式部はこの神社を題材に、「ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしずくに たちやぬれまし」という恋の歌を詠んだといわれています。
恋の成就を願って、片岡社には、この歌が書かれた「縁結び絵馬」がたくさん奉納されています。そこに吉高さんと柄本さんの写真が飾られていることに感謝しつつ、「縁結びの神社でしょう? 私たち(まひろと道長)は結ばれないのに大丈夫かなあ……」と、吉高さん。ユーモアを交えたチャーミングなコメントで、こうして場を和ませ、終始イベントを盛り立ててくれました。
また、大石さんのお母様は京都出身で、平安神宮の近くで生まれ育ったという、意外なつながりも。今回は京都を舞台とした作品ということで、とても緊張したそうです。
脚本を執筆するうえで、いちばん難しかったのは、『源氏物語』の誕生をどう描くか、ということだったとか。
「はっきりしたことはわからないから、学者の先生方は誰もそこを語っていないんです。でも、人間が動いて演じるドラマでは、自分たちの見解を出さなければならない。何度も何度も話し合いを重ねたので、脚本が1ヵ月くらい止まっちゃいましたね」
「当時は紙が高価だから、スポンサーなくして『源氏物語』の執筆はありえない。時代考証の倉本一宏先生もそうおっしゃっていたので、道長をスポンサーにすることは、早い段階から決まっていました。それで、越前の紙が好きだとか、ちょっとずつ前フリをして……。だって道長は、まひろの言ったことは全部覚えていますからね(笑)」
柄本さんも笑顔で同意。「そうそう!わざわざ『覚えておこう』なんてかっこつけてたけど、ほんとは全部覚えているんです」。