支えてもらうといえば、公演中の食事もその一つ。昔は地下の演出部のあたりにおばちゃんが一人で切り盛りしている社員食堂のようなのがあって、とんかつや生姜焼きをよく食べていました。

帝劇ビル地下の食堂街にもお世話になったね。「蘭」という喫茶店では、僕のリクエストで、焼きそばにカレーをかけるスペシャルメニューもできた。ほかのお店にも思い出がいろいろあります。

帝劇はミュージカルを上演しているイメージが強いけど、昔は、山田五十鈴さんや森繁久彌さんといった名優が主演される大型芝居の劇場という印象がありました。

その意味では、『お夏狂乱』(94年)という時代劇で帝劇に出られたことも心に残っています。西村晃さんの付き人をしていた僕としては、ひとつ山を登った感じがあったんだね。

3月に上演される『屋根の上のヴァイオリン弾き』で明治座の舞台に立てることも感慨深い。付き人からここまで上がってこれたのだなあ、って。それも考えてみたら、帝劇が改修に入るから実現することなんだよね。今の帝劇がなくなるのは寂しいけれど、前向きに捉えたいと思います。

その『屋根の上~』をはじめ、たくさんの舞台が待っている2025年。最後まで完走! それが今年の目標です。