「自分の時間を惜しみなく注いで作り上げて表現することで、お客様の心に残ると感じています」

新たな自分を目指して常に更新し続けたい

——2020年の1月からは太宰治の未完の遺作を下敷きにした舞台『グッドバイ』で、怪力、大食いのヒロイン・キヌ子役を務めている。共演するのは、ソニンさんが女優デビューしたドラマ『高校教師』で主役を務めた藤木直人さん。


この戯曲を書かれたケラリーノ・サンドロヴィッチさんと読売演劇大賞の授賞式の会場で久しぶりにお会いして、「機会があれば、ぜひ!」というお話をしたんです。その後に、今回のKERA CROSS企画のオファーがあったので、やっぱりすべてがつながっているんだなと実感しましたね。

藤木さんとも17年ぶりの共演で、ちょっぴり恥ずかしいと感じる一方で、「この17年間に成長した私を見て!」という気持ちもあります。

30代半ばとなった今では、私が主役で舞台に立ってもいいのだと、胸を張って言えるようになりました。だって、いつも自分が納得いくまで研鑽して、今できる最大限の努力をする環境を作っているから。自分の時間を惜しみなく注いで作り上げて表現することで、お客様の心に残ると感じています。

また、舞台では常に自分を更新していきたいと思っています。歌も演技ももっともっとうまくなって、いつでも「新しいソニン」をお見せできるように、これまでやったことのない役にどんどん挑んでいきたいです。この役は確実に自分に合っている、お客様も絶対に喜んでくださるという安全パイ的な役はやらなくていい。

今回の『グッドバイ』は過去にも上演された名作ですが、俳優も演出も前回とは別物のニューバージョンなので、私なりの新しいキヌ子を演じたいと思っています。

毎回、舞台ですべてのエネルギーを出し切っているからか、終演後にお酒を飲みに行ったりはしませんね。私の場合、舞台上のテンションがマックスの状態なんですよ。舞台ですべてのパワーを発散した後に、飲みに行って、またテンションを上げる余力がない(笑)。

仕事が終わればまっすぐ家に帰って、自分で作ったご飯をちびちび食べながらまったりするのが至福のときです。