世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく
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このシリーズは、全国を旅しながら水族館を訪れて写真におさめる写真家 野辺地ジョージのシリーズを連載した物です。今回第31回は、2024年8月に訪れた鹿児島県「志布志湾大黒イルカランド」のエピソードです。
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このシリーズは、全国を旅しながら水族館を訪れて写真におさめる写真家 野辺地ジョージのシリーズを連載した物です。今回第31回は、2024年8月に訪れた鹿児島県「志布志湾大黒イルカランド」のエピソードです。
生簀が湾と繋がった好立地
2024年8月の猛暑の真っ只中、椰子の木々が続く宮崎県日南海岸を車で走り、都井岬の岬馬に会いに行った。
小柄な野生の馬と青い海、緑の丘の異国情緒漂う絶景に癒される時間はあっという間に流れていった。
その後岬の西側の串間市にある「志布志湾大黒イルカランド」を目指した。すると出入口付近のビルが海鮮市場だったことには驚いた。
「最後のイルカショーは間も無く終わりますけど大丈夫ですか?」とスタッフが親切に教えてくれた。海をバックにしたスタジアムに小走りで向かうと、ショーのクライマックスに丁度間に合った。ここに飼育されている動物の種類は多くはないが、生簀が湾と繋がっている好立地にある。

写真を拡大 志布志湾をバックにしたスタジアムでのイルカショー(C)2015〜2025George Nobechi