私自身、女性が自立して前に進んでいく物語が好きで、演じさせていただくことも多いのですが、『ウェイトレス』も女性が共感できるところの多い作品だと思います。楽曲もすごく素敵ですし、日本でもぜひやってほしいと強く感じたんです。

だから帰国してすぐマネージャーに、「あの作品、日本で上演する予定ないのかな。オーディションがあったら受けたいんだけど」と言いました。すると、21年にジェナを演じる機会が訪れて。

「こういうことに挑戦してみたい」とか、「この人に会いたい」と思ったら、ちゃんと言葉にするのは大事ですね。逆に、本当に望んでいないことは口に出さないように気をつけています。適当に調子を合わせ、「それ、いいですねぇ」と言ったりはしません。

初演時はコロナ禍の影響もあって大変でしたが、日本初演の作品をみんなでつくる充実感は、本当にかけがえのない経験でした。そして「再演が決まった」と話すと、「前に観たけれど、もう一回観たかった」と言ってくれる人が多いのも嬉しいですね。

私もブロードウェイで観たあと、ロンドンでも観ましたし、何回でも観たくなる作品です。初演時は20代でしたが、30代になった今、さらにジェナ役を掘り下げられるのではないかなと思っています。