検査方法の確立が不可欠
つまり、今ある標準的な検査で異常が見出せないとなれば、どんなに症状が強くてもドクターは何も処置することができないということになります。もちろん、いろいろな対症療法は存在します。
例を挙げれば、神経ブロック注射であったり、神経を一時的に麻痺させる注射であったり、生理食塩水を入れる注射であったり、筋肉の緊張を和らげる飲み薬などです。しかしこれらの治療法は肩こりを根本的に治すものではありません。
そうであれば、何が原因なのかを詳しく診ていかなくてはいけないのです。
五十肩も同じです。これだけ多くの人が五十肩になるにもかかわらず、なぜそこまで痛いのかについては最近になるまでわかっていませんでした。
病気を適切に治すには、検査方法の確立が不可欠です。虫歯であれば直接の観察とレントゲンで診断でき、どこまでひどいか(重症度)もわかります。いわゆる盲腸(正式名称は虫垂炎)も、CT検査で確実に診断でき、どれくらい重症なのかがわかります。
心臓の血管が詰まってしまう心筋梗塞も、心電図や冠動脈血管撮影(造影)という標準的な検査が確立しています。
しかし、五十肩の場合、最近になるまでこのような確立された検査方法がありませんでした。レントゲンではまったく可視化できません。MRIによる診断もそこまで標準化されていません(実は専門家が見れば重症度がわかるのですが)。五十肩の画像検査も最近になって解明されつつあります。