「ありふれた痛み」の共通した原因
では複雑だからといって解決方法がないかというと、そういうわけではありません。
最近になって、これらの「ありふれた痛み」に対する、ある共通した原因が見出されています。それは、痛みの部位に長く生じている異常な血管とその周囲を取り巻いている神経の存在です。
私は2015年にワニブックス【PLUS】新書から『長引く痛みの原因は、血管が9割』という本を出版しました。
肩こりや五十肩、ヘバーデン結節、あるいは膝の痛みや腰痛に至るまで、多くのありふれた痛みの原因の中心にあるのが、その本の中で詳しく解説し、「モヤモヤ血管」と紹介した異常な血管です。これは根本的な痛みの原因として非常に重要なものです。
例えば五十肩は、現在では肩の関節にモヤモヤ血管ができる病気として再定義されています。また、ヘバーデン結節もモヤモヤ血管を減らす治療を行なうことで改善することがわかってきました。
※本稿は、『こんなに痛いのにどうして「なんでもない」と医者に言われてしまうのでしょうか』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
『こんなに痛いのにどうして「なんでもない」と医者に言われてしまうのでしょうか』(著:遠藤健司、奥野祐次/ワニブックス)
「痛み」はQOL(人生の質)を下げる大きな要因です。
四十・五十肩、肩こり、腰痛、ばね指……医者が湿布や痛み止めしか処方してくれないありふれた痛みは「モヤモヤ血管」が原因だった!
欧米で保険診療も開始された最新の痛み治療とセルフケアについて2人の専門医が詳しく解説。