結局、給与は減った

「最低賃金が上がり時給は上がった。でもその分、1時間働く時間を減らされたから、かえって手取りが減った」と小さなクリーニング屋で働いているパート主婦の田村咲さん(仮名・40歳)は、嘆きます。

田村さんの時給は1122円から1163円に上がったのですが、経営者はその分、多く払えないからと、働く時間を10時から15時までだったのを14時までに1時間減らしました。結局、給与は減ったと言います。

クリーニング店の経営者は、「お客が全く来なくても、人を雇って給与を払わないといけない。社会保険料も払いたくないから」と、いつもシビアに計算しているそうです。

田村さんだけではありません。

洋服のリフォーム店をのぞくと、6人の60代から70代のパート主婦が手を動かしていました。週に2回(1日6時間)の仕事に加えて、お客さんからの注文が多い日は急に店に呼ばれ働くこともあるそうです。

「103万円の壁って何?月によって差があるから結局、計算できていないでしょ」とあきらめムードで言います。