なけなしのお金は、つぎ込んではいけない
今年、定年退職を迎えるという人のもとには、銀行から投資に誘う電話がかかってくることでしょう。
給与振込先の銀行は、あなたの勤め先や現在の給与、預金額などを把握しています。「*月に定年退職で、何千万円かの退職金が入りそうだ」という情報が筒抜けだからです。
「荻原さまの投資担当です」と、頼んでもいないのに勝手に担当者と名乗る銀行員から電話がかかってきて、「つきましては、私が荻原さまの投資のお手伝いをします」と、これも頼んでもいないのに、自宅訪問の約束を取り付ける。
そして「ご挨拶に参りました」と名刺を置いていく。後日、退職金が口座に振り込まれたのを見計らって、「せっかくの退職金なので、増やすことを一緒に考えませんか」と、投資のお誘い。
ここまでくると、なんだか無視できない気がして、銀行に行くと、必ずこんなことを言われます。
「こんな低金利で、お金を口座に入れたままにしておくのはもったいない。少し増やすことを考えてみましょう。全部ではなく、ほんの少しでいいので、投資に回してみませんか。人生100年時代なので、まだ40年もあります。そうなると、お金が少しでも増えれば、より豊かな老後を過ごせるかもしれませんよ」
こう言われると、誰もが少しでいいからお金を増やしたいという思いはありますから、とりあえず話を聞いてみようとする。
そうなれば、担当者の思うつぼ。あの手この手のセールストークが炸裂します。
そこで、言われるままにお金を投資に回してはいけません。