厚生労働省が公表している「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度の厚生年金の平均受給月額は14万6429円だったそう。「老後2000万円問題」も話題となり、老後の資金に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そのようななか「65歳からは、お金のことは心配ご無用」と話すのは、経済ジャーナリスト・荻原博子さん。今回は、荻原さんの著書『65歳からは、お金の心配をやめなさい 老後の資金に悩まない生き方・考え方』から、老後を豊かに暮らすための心構えを一部抜粋してお届けします。
それでも投資をしてみたい人に言いたいこと
かくいう私も、じつは投資で数多く痛い目に遭ってきました。
その話は別の機会にするとして、だからこそ「投資」の裏側が見えるようになったのは確かです。
ただ、皆さんには、そんな経験をしていただきたくはありません。何が起きるのか、予想できないのが投資の世界。そんなところに足を踏み入れなければ、幸せな人生が送れるかもしれないのですから。
そこまで言っても、「これだけ国をあげて大騒ぎしているのだから、試しに少しだけやってみたい」という方もおられるでしょう。
そういう方は、自分がよく知る身近な会社の株式を、1つ買ってみるといいでしょう。
なぜ「投資信託」でなく「株式」なのかと言えば、投資信託は、どういう商品が組み込まれていてどんな運用をしているかということが、素人にはわからない。お金だけ出して、口出しできない金融商品だからです。
それに対して株式は、自分の意思で、あれこれ考えながら売買できます。
昔は、証券会社に電話をして、証券会社の社員が勧める株式を買ったものですが、いまは個人でもネットで買えます。自分で決めて、自分で買えるので、その株式が上がろうと下がろうと、完全な自己責任になります。