20年来の友人関係だという、黒柳徹子さん(左)とビーズ刺繍デザイナーの田川啓二さん(右)(撮影:下村一喜)
黒柳徹子さんとビーズ刺繍デザイナーの田川啓二さんは、20年来の友人関係。似た者同士という2人は、「素敵なもの」について語り始めると止まらないそうで――(構成:篠藤ゆり 撮影:下村一喜)

不思議な縁で気が合って

黒柳 今日の衣装は、古着屋さんで買った友禅の着物を、田川さんがドレスに仕立ててくださったものです。

田川 友禅の技術を生かしつつ、刺繍をどうきらめかせるかが、僕にとって一番の課題です。着ている人が動いたときに光るような仕掛けをしながらビーズ刺繍をしています。

黒柳 着物はつつましく体を包むけれど、ドレスだとパーッと存在感が広がるので、その違いも面白いわね。いつも「うわ~っ! こんなふうになるんだ」とびっくりします。田川さんのお仕事は、古いものを生かしてくれるのもうれしい。

田川 ありがとうございます。初めてお会いしたのは、2002年に『徹子の部屋』に出演させていただいたときでしたね。

黒柳 以前から森英恵先生のドレスをよく着ていましたが、刺繍部分を手がけた田川さんのお名前は知らなかった。こんな素敵なビーズ刺繍をする人は熟練の年配の方だろうと思っていたので、驚きました。そもそもどうしてビーズ刺繍デザイナーになったの?

田川 大学卒業後、アパレル会社を経て専門学校で学び直していた頃に、オートクチュールの刺繍に出合いました。モデルがランウェイを歩くたび、光を放つようにきらめくドレスを見て、LEDもない時代に、どうしてそう見えるのか。立体感や陰影が本当に綺麗で、こんな美しいものは見たことがないと、心から感動したんです。

調べたら、それは一粒2ミリほどのビーズの世界。そこでヨーロッパやインドの芸術的なハンドメイドの技術を謎解きしたい、と決心したのがきっかけです。