鳥山玉一とも縁を切りよき民として暮らすよう

まず瀬川に対しては…

「悪徳なる検校の寵(ちょう)をよいことに、善良なる民より搾り取りし金で遊興、贅(ぜい)の限りを尽くしたことは許し難き悪行である。しかしながら、幼き頃に吉原に売られ、夫よりほかに寄る辺なき身の上であったことは憐れむべきである。よって二度とかような遊興を繰り返さぬよう、きっと叱りおく」

との仕置きが。

それを聞いた瀬川は深く頭を下げたまま「ありがとうございます!承ってございまする!」と答えます。対して「この後は鳥山玉一とも縁を切り、よき民として暮らすよう」と続けた奉行。

意外な裁きに対し、瀬川は面を上げて「え…?」と呟きます。

そして「離縁ですか?」と問う松葉屋に、奉行はこれより先、鳥山が面倒を見ることを遠慮したいと言っている、と伝えます。

そのやりとりを前に、ひれ伏したまま動かない鳥山。