小嶋さん「発達障害がある子は、体にも「特性」を抱えていることがあります」と言いますが――<『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』より>
2025年4月15日の『クローズアップ現代』は、「『子どもが発達障害と言われたら…』 拡大する“5歳児健診”」がテーマ。児童精神科医・神尾陽子先生が最前線に迫ります。そこで特別支援教育のエキスパートである小嶋悠紀さんが解説した、2023年05月12日公開の記事を再配信します。
*****
「子どもが洋服を着るのを嫌がる」「聞き分けがない」「パニックを起こす」それは単なるわがままではないかもしれません。一方で小嶋さんは発達障害・グレーゾーンの子どもたちへの「声のかけ方」「接し方」を考えながら、これまで2000人を超える人の支援に関わってきました。その小嶋さん「発達障害がある子は、体にも「特性」を抱えていることがあります」と言いますが――。

集団に適応できないのは、子どもには「地獄」だから

発達障害の子は、学校のような「集団」のなかではイライラやパニックを起こしやすくなります。そして、運動会・音楽会・文化祭などの行事、およびその練習のときに、とくにその傾向が強くなります。

なぜ集団が苦手なのでしょうか。そこにはおもに、次の3つの原因があります。

(1)集団で行動するのが苦手

集団にはルールがありますが、そのルールにうまく従えない子や、そもそも「みんなと一緒に行動する」ということが苦手な子がたくさんいます。

そういった子を集団のなかに入れて、ある決まった行動をさせようとすると、ストレスが積み重なり、「不安定」「パニック」が起こりやすくなるわけです。