上皇上皇后両陛下とともに一般参賀に臨んで

上皇后美智子さまと雅子さま、紀子さまを比較して誰が好きだとか、皇后や妃殿下として素晴らしいのは誰かといった見方があるが、皇室に入られた方は皆真面目で、陛下や殿下を助けられながら自分なりの生き方を懸命に模索して来られた。

雅子妃(当時)も、美智子さまとお立場の違いからボタンの掛け違いがあったともいわれたが、雅子さまは皇后陛下になられて改めて美智子さまのお立場のご苦労を実感されているかもしれない。

今回の誕生日文書の中でも、

〈平成の御代の間、皇后としてのお務めを果たされながら、上皇陛下を常にお傍でお助けになり、上皇陛下のお力になってこられました。上皇后陛下には、今年ご手術をお受けになり、ご案じ申し上げましたが、上皇上皇后両陛下には、これからもくれぐれもお体を大切になさり、永くお元気にお過ごしになりますよう、心よりお祈り申し上げます。そして、御譲位後も私たちの歩みを温かくお見守りいただいてきましたことに深く感謝申し上げます〉と感謝の言葉が長く綴られていた。

今年の1月2日の一般参賀には、両陛下の横に上皇上皇后両陛下がお立ちになられた。代替わり後に上皇さまが天皇陛下とご一緒に公の場にお出ましになるのは、初めてのことだ。

両陛下たちは時折、顔を見合わせられて微笑んでいた。

皇室はこれからも政権がリードするような方向ではなく、憲法に適した象徴性を見せてくれることだろう。

天皇皇后と上皇上皇后が揃われたことで、新しい天皇家の力が生まれるような、そんな期待から始まる一年になりそうだ。