その名も七ツ星の龍

それから部屋を出ると、蔦重から預かった『死を呼ぶ手袋』の原稿を「焼き捨てるように」と側近・三浦庄司に手渡した意次。

三浦がその原稿に目を通すと、場面は回想シーンへ。

「近頃お江戸に流れしは死を呼ぶ手袋の噂。そこに目を付けたるは稀代の悪党。その噂を使い、あちらこちらで人殺し。だがその鬼畜の所業に気付いたる男がいた。その名も七ツ星の龍。しかし悪党も大したもの。なんとその龍こそを人殺しに仕立て上げる。危うしの七ツ星。そこに現れたるは古き友なる源内軒。これより幕を開けたるはそんな二人の痛快なる敵討ちーー」

と筆を進めたところで微笑む源内の様子が流れます。

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

すると意次は「源内…言うたではないか。お前のために忘れよと…」とつぶやきながら、大粒の涙を流すのでした。