草笛 私、内野くんがどうやって日々を過ごしているのか、気になってるのよ。それで今日お話ししたいと思ったんだけど。だからといって、それをわざわざあなたに聞くのもいやなの。(笑)

内野 インプットの時間は大事に考えているので、ひとつの仕事が終わったら、映画や舞台を見る時間を作るようにしたり、次の仕事に備えて本や資料を読んだり、旅行に出たり。そういう意識はあります。でも僕、それほどストイックなタイプではないからなあ。

草笛 あなたはいい意味で適当だから、心配はしていないけれど。

内野 見抜かれてる?

草笛 はい。

内野 仙人みたいだ。まあ、だから初対面のときから、同志のように感じてくださったのかな。

草笛 こういうことは理屈じゃないのよ。「内野くん、今日は朝から天気がいいから、少し歩くといいわよ」とか、たまに心のなかで思ったりしてるだけ。あなたは素晴らしい役者だけど、この道を歩いていくには、やらなきゃいけないことがまだいっぱいあると思うの。努力は大事よ。私のほうがちょっとだけ年上だから、偉そうなことを言わせてもらうけれど。

内野 いやいや、もうどんどん言ってください。(笑)

草笛 そして、あまりお酒を飲み過ぎないほうがいいわよ。私にまた運ばれちゃうから。

内野 あははは。それが今日僕に一番言いたいことだったんでしょう。これ、一生言われそうだなあ。

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