着物が好きになるかどうかは「着付け」で決まる?
そもそも「着物が苦しい」とおっしゃる人の多くは、自分の手で着物を着ていない方がほとんどなのではないでしょうか?
たとえば「二十歳の集い」に出席するために、振袖をお求めになる十代の女性が毎年一定数おられます。この女性たちは、集いを終えた後に着物のファンになる方と、もう着物を着たくないという方にわかれます。
この2つのわかれ目の最大の要因は何か? それは「着付け」だと私は考えています。
人に着せてもらう場合、着付け師さんによっては、「着物が絶対にズレないように」と、強めに紐や帯を締める方がいるのは事実です。
ただそんな着付けに出会うと、着ている間ずっと辛くなる。さらに、振袖を着せられたほとんどの女性が着物を日頃着ていないので、着物に合わせた所作がわからず、極端な例だと、「着物を着ている間トイレに行けず、ずっと我慢した」という話まで聞かれます。
ちなみにトイレなどは、裾をまくるだけで、着物特有の特別な動作は必要ありません。弊社では式の前に、基本動作を確認いただくようにしていますが、ともあれ、こんなことで着物嫌いになる人がいるのは悲しすぎます。