ドラマの進行とともに感じ方も変わって

近未来的な映像と昭和から始まる物語の組み合わせに「斬新」「朝ドラらしくない」という声もある一方で、今田さんが進む空間の色合いや雰囲気から、やなせさんが創刊した『詩とメルヘン』の表紙を思い出す人も。SNSでは「やなせさんの愛した『詩とメルヘン』の世界観と一致して素晴らしい」「やなせたかしの世界観の再解釈」という声があった。

実は、終盤のアンパンマンのシルエット以外にも、漫画のコマ割りの中を今田さんが進んだり、やなせさんの絵本『アンパンマンとえんぴつじま』を想起させる巨大なえんぴつが登場したりと、やなせさんの人生を感じさせる作りになっているのだ。

朝ドラの放送は半年間に及ぶ。「例えば第1週で見た時と第10週で見た時、最終週で見た時では、受け取り手の感じ方が変わっていけばいいと思っています。主題歌もタイトルバックの映像も例年の朝ドラとは違う表現で挑戦をしているので、それに対して朝ドラっぽくないという声が上がるのは当然。全26週見終わった後に視聴者の皆さまにどう捉えていただけるかが大事だと考えています」