今田美桜は案内役
放送当初から話題になったのが、今田さんがのぶ役の衣装ではないことだった。「物語は昭和2年から始まって、最終的にどこまで描くかは台本もまだなのでわかりませんが、アンパンマンが生まれたときまでは少なくとも描きます」と話す。物語のなかで長い時が流れるため、戦前の衣装にするか戦後の衣装にするか議論にもなった結果、「のぶではなく今田美桜さんとして出演してもらう」ことになった。
「視聴者のみなさんの代表として、のぶと嵩が生み出した世界の案内役としても、現代を生きる今田さんにタイトルバックに出ていただいています」と語る。
タイトルバックでは、道に穴があけば今田さんは光の線の上を歩く。今田さんが乗った紙飛行機の横を光が並走するシーンもあった。光の線は、のぶの夫でアンパンマンを生み出した嵩との関係を表現しているようにも見える。
倉崎さんは、「今田さんが線に導かれているような、導いているような、どっちにも捉えられます。それは嵩との関係性も表している。生きているとしんどいときもつらいときもいろいろあるけれど、その線を追い続けたからこそ最後に登場するアンパンマン(のシルエット)に結びついていくというのを示したかった。のぶのさまざまな経験すべてが数十年の時を経てアンパンマンや嵩のいろんな作品につながっていくということを表現したかった」と話す。