主題歌に込めたテーマは

RADWIMPSの約1年9カ月ぶりの新曲となる主題歌の『賜物』にも物語のテーマが込められている。

倉崎さんは「RADWIMPSさんにはやなせさん関連の資料や台本などあらゆる資料を読んでいただきました」と明かす。その中で、何度も議論を重ねたという。

「世の中のみなさんが知っているやなせたかしさんと暢さんを描くには、一面的なものではなく、相当深いところにいかないとダメだという共通認識がありました」と語る。

「あくまで主人公はのぶ。だからこそ、のぶの疾走感や生命力、突破力も大事。これまでの朝ドラのイメージにとらわれずに挑戦してほしい」とも伝え、最終的に生まれたのが『賜物』だった。

タイトルバックで使われた歌詞は、苦難の多い人生をそれでも生き抜く覚悟と限りある命の輝きに触れたものになっている。

『あんぱん』のテーマの一つは「一度きりの人生、平等に与えられた命をどう生きるのか」という普遍的なものだという。ドラマは序盤ながら、すでにのぶも嵩も父親を失い、これから物語は戦争の影が色濃くなっていく。倉崎さんは「『賜物』とは何かいろんな解釈がありますが一つは、“命”のことだと思っています。朝ドラで流れる歌詞は、曲全体のほんの一部。すべての歌詞も読んでいただきたいなと思っています」と語る。