卒業式に関する誤解はたくさんある
なお「1日も通わずに卒業できる」という事実を知らない大人は大勢います。卒業するためには「出席日数が必要だ」「ある程度、勉強する必要がある」などと言う人もいますが、それはまちがいです。
また卒業式に関する誤解はたくさんあります。まず卒業証書。この証書というのは儀式用の書類であり、とくに意味はありません。卒業証書を「親が受け取る」「郵送で受け取る」「受け取らない」、どの方法でも、卒業自体は揺らぎません。
法的には校長が卒業を認めれば、卒業とみなされます。卒業式に出るか出ないか、卒業アルバムに載るか否かも自分で決めて大丈夫です。
ただ残念なことに、授業やテストを受けないと「卒業させないぞ」とすごむ校長先生や学校が存在します。こういった場合は、弁護士会がやっている無料電話相談「子どもの人権110番(東京弁護士会 03・3503・0110)」に連絡してみてください。きっと解決できるはずです。
ちなみに東京都や岐阜県は公立高校の入試で内申書の「欠席の記録」欄を廃止しました。欠席による差別をなくすためです。出席日数で左右されない教育制度を大人たちも作ろうとしています。
公立の小・中学校は、1日も通わずに「校長判断」で卒業できます
※本稿は、『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』(大和書房)の一部を再編集したものです。
『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』(著:石井しこう/大和書房)
行けなくなって思ったのは、「人生詰んだな」ということでした。でも、ちがいました。
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