(写真提供:Photo AC)
文部科学省によると、令和5年度の小・中学校における不登校児童生徒数は34万6,482人で過去最多となったそう。しかし、自身も不登校経験者である不登校ジャーナリスト・石井しこうさんは、「学校へ行っても行かなくても、結果的にはあまり関係ありませんでした」と語ります。そこで今回は石井さんの著書『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』から一部を抜粋しお届けします。

不登校の理由は4つのケースに大別される

不登校の理由を、自分の言葉で語れるまでは「10年かかる」とも言われています。世間が思うほど不登校の理由は単純ではありません。

理由がわからないのは「モヤモヤする」という人のために「わからない」の中身を解説したいと思います。4つぐらいに大別されます。

ケース1 いじめを受けていたことが「恥ずかしくて言えない」場合。いじめを受けることは恥ではありませんが、暴力を受けると人は羞恥心を植えつけられてしまう。言葉にしようとしても羞恥心が邪魔をして言葉にしづらく、表面的な感情としては「自分でもわからないなあ」と思うようです。

ケース2 恐怖心によって「気持ちが感じとれない」か「物理的に思い出せない」という場合。教師からの叱責や同級生からいじめを受けた際、これ以上、心が傷つかないよう感情にフタをする場合があります。ケース1とも似ていますが、気持ちが感じとれない、あるいはその期間の記憶がないため言葉にすることができません。