「学校はどう?」と聞いてくる祖父母に会いたくない

不登校当事者から聞く「帰省の話」は、ろくな話がありません。

あなたのまわりにはこんな人はいませんか。

帰省中に「会社にだっていやな奴はいっぱいいるんだ」と訓辞を垂れるお父さん。有名進学校へ進んだ息子の自慢話に花を咲かせ、自己否定感に追い打ちをかけてくるおばさん。「学校へ行かなくても働けばいいんだ」と早朝から畑仕事を手伝わせようとするおじいさん。「学校はどうしたの? 行ってないって聞いたけど」とずけずけ聞くおじさん、などなど。

もしも自分が魔法を使えるなら、その存在を消し去ってしまいたいと思うキャラが、身近に1人はいるはずです。こういう「やっかいキャラ」との遭遇が不登校にとっての「帰省」なわけです。帰省時期が近づくだけで、食欲が落ちるという人もいます。

(写真提供:Photo AC)

しかもやっかいなのは、おじいさんやおばあさんという存在は帰省をさせたがるということ。孫であるあなたが大好きだから。それはよくわかっているでしょう。悪意ではなく「善意」だからこそ、帰省が断りづらく、いやなものなんです。帰省の悩みは全国的なものです。年明けやお盆明け、どれほど多くの当事者から同じような話を聞いてきたことか。