「売るモノ」の付箋を貼られたのは、主に父のレコードや書籍、カメラといった趣味の品。価値のわかる人に使ってほしいという父の意向で、「専門業者に買い取ってもらうモノ」と「何でも屋に引き取ってもらうモノ」に分けました。
建築の専門書などを扱う業者の方が、父のスクラップ帳を見て興奮していたのが印象的でしたね。父は几帳面で、デザイン展や万博のパンフレット、マニアックな記事を綺麗に保存していました。貴重な資料が多かったようで、何十冊もあったスクラップ帳のほとんどを買い取ってくれたのです。
木工工具や大きな作業台は、父の知り合いのもとへ。やはり喜んでもらってくれる人がいたらそれが一番ですね。
面白かったのが、仲良しの俳優・北村一輝さん。ドラマの打ち上げの折に生前整理の話をすると、「行ってもいいですか?」と言うのです。北村さんは家を借りて昭和グッズのコレクションをしているほどのレトロアイテム好き。
本当に実家にいらして、古い冷蔵庫と日本で最初の炊飯器を持ち帰り、その日に、「炊飯器を自分で直して、ご飯を炊きました」と写真を送ってくださって、ありがたかったです。