「食事や仕事が終わったテーブルの上は、ゼロに戻すと、次の作業がスムーズ」(やましたさんの沖縄の家/撮影:高野大(フォトアートたかの))

体を動かすと、心も動くように

2018年からはBSのテレビ番組が始まって、より幅広い方々の片づけの悩みに対応するようになりました。片づけについて真剣に考えたことがないという人にも出会う機会が増えて、私自身も楽しく、新鮮な学びがあると感じています。

家がしっちゃかめっちゃかになっている人に共通する口癖があって、それは、「どうしてこうなっちゃったんでしょう」。不思議と皆さん、他人ごとなのです。

理由は何かと考えてみると、「とりあえず」という決断の保留。「とりあえずモノを手にして、とりあえずそのあたりに置いて、とりあえず捨てない」。それを繰り返せばモノが溜まってあふれるのは当然です。この状態をつくっているのは自分、ということに気づいていない。

ではなぜ、今まで気づけなかったのか。モノが空間に詰まって動かなくなると、それを触らなくなり体も動かさなくなります。体を動かさないと、頭が働かないので思考停止に陥る。思考が止まると、心が動かなくなる。

自分のことや周りのことに無感動、無関心だから、家がひどい状態になっても、他人ごとのように感じるのだと思います。