片づけに悩む多くの人に、断捨離の手ほどきを続けて25年。やましたひでこさんが、これからのモノとの向き合い方や、自己肯定感を上げて人生をよみがえらせる知恵を伝授します(構成:山田真理 撮影:洞澤佐智子)
まずは家のなかをぐるっと見回して
断捨離というと、「捨てる」という言葉のインパクトが大きく、抵抗感を持たれることもあります。でも、「とにかくモノを減らす」「必要最低限だけ残して全部捨てる」というのとは違うので、ご安心を。捨てるべきは、「家の空間を圧迫している、必要のないモノ」です。
ここで、なぜ家に不要なモノが増えていくのか、人生を4段階に分けて考えてみましょう。
まず、生まれてから成人するまで、いろいろなモノを手に入れて世界を広げることで学んでいく「散らかし期」。2番めは、結婚・出産・育児などで新たに増えたモノを収納していく「突っ込み期」。
そして、3番めとして、50代以降、収納されたモノがさらにどんどん奥へ入り込む「溜め込み期」。4番めは、70代、80代と、収納にモノが入っていることもすっかり忘れ去られる「埋もれ期」。
これを放っておくと、「忘却グッズ」だらけになり、モノが出ていかない。人生の最後まで、モノに家が乗っ取られている状態になってしまいます。
ご自身が暮らす家のなかをぐるっと見回してみてください。使っていない割箸やプラスチックのスプーン、チラシやお店の紙袋、仕舞い込んだ趣味や健康関連グッズ、来客用のふとん、自立した子どもが置いていったモノ……。ずいぶん自分には不要なモノがあるのでは?
「ゴミ同然のモノ」「生活スタイルの合わないモノ」「壊れているモノ」「過去の思い出」などは手放していい。今の生活に活かせていないなら、不要なモノです。それらを「出す」ことによって、「自分に本当に必要なモノ」を手に入れることができるようになります。