さらに「お風呂は大丈夫?」と聞かれたので、シャワーで済ませていると伝えると、彼女は「湯船で体を温めないと健康によくないよ」と心配そうな顔。

そして、「私がお風呂場のそばで待機しているから、湯船にゆっくりつかったら」と言い、遠慮するかもしれないけど、とつけ加えた。せっかくのお隣さんの助け船だ。思い切って甘えよう。

その夜、お隣さんは私がお風呂に入っている間、ずっと廊下にいてくれた。湯船に出入りするときに声をかけ、安心して入浴できたのだ。ああ、気分爽快。

それから数回つき添いをお願いした後、自分一人で挑戦してみた。手の届く場所をつかみながらゆっくりと……。無事に成功。想像以上に嬉しくて、さっそくお隣さんに報告する。「不安なことがあったら手伝うから、いつでも言ってね」と優しい言葉をいただき、たちまち勇気百倍に。

しかし、どうしてもできなかったことが1つ。お風呂掃除である。退院後は一度も湯船を洗えず、水で流すだけ。ヘルパーさんに来てもらえるようになる1ヵ月先まで放置はつらいなと考えていると、お隣さんに「家の掃除はなんとかできても、お風呂掃除は大変じゃない?」と聞かれた。

なぜ、いつも私の悩みがわかるのだろう。「そうなの、だから手抜きよ」と答えると、「できるときに、できるところだけでいいのよ」と彼女は笑った。

お隣さんは、私より5~10歳ほど年下だろうか。物事をぐずぐず考えず、判断が早くてサッパリとした性格。隣に住む私にもそれとなく気を配り、何か困っていると声をかけてくれるのだ。

そろそろリハビリの通院は終えようかと考えていたときも、彼女は「保険適用期間は、病院でリハビリしておいたほうがいいわよ。それに加えて、自分でできることをしてみたら?」と助言してくれた。