(写真提供:麗人プロジェクト 以下すべて)
元宝塚歌劇団の男役、潮和歌として活躍したくれゆかさんが主宰する「Show&Party麗人プロジェクト」の発表会が、今年も東京・赤坂プリンスクラシックハウス グランドガーデンルームで開催された。「マチュア世代」を中心にした「麗人」が本番に挑んだステージの模様をリポートする。
(取材・文:吉田明美)

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多くの女性を磨いてきた「麗人プロジェクト」

麗人プロジェクト」とは、元宝塚歌劇団の男役として活躍したくれゆかさんが、宝塚のメソッドを生かして一般女性たちの所作・ふるまいを美しく導く取り組みだ。生徒たちはくれさんから着こなしやポージングを学び、自らの美しさを追究し、底上げしていくことで、自信をもって人前に出る姿になるまで自分を磨き上げ、その結果、「自己変革」を起こす。これまで多くの女性を輝かせてきたこのプロジェクトの発表の場となるのが、この「Show&Party」で、今年で3回目の開催となる。

会場となったのは、ちょうど色とりどりの薔薇が満開に咲き誇る東京・赤坂プリンスクラシックハウスのグランドガーデンルーム。「人生のワルツ(縁舞曲)」をテーマに、生ピアノの演奏が静かに始まると、会場から手拍子が起きる。会場2カ所に設置されたプロジェクターからは今年の麗人13名の紹介VTRが流れてくる。「主婦です」「やりたいことを表現したい」「自分を大事にしたくて参加しました」などの一言コメントに、本番にかける意欲が感じられる。

白いドレスに身を包んだ女性が軽やかに会場内を駆け抜け、優雅なダンスが始まった。歌声も響き渡る。おそらく緊張はしているのだろうが、100名を超える観客を前にとびきりの笑顔を絶やさないのは、この日のために日々の練習を重ねた成果にちがいない。

そしてトレンチコートにシルクハット姿のくれゆかさんが登場。まさに「立っているだけで絵になる」という表現があてはまる。シルクハットとトレンチコートを脱ぎ捨て、黒いタキシード姿で女性たちをエスコートする姿はやはり美しい。女性たちは、何度も練習したであろうステップを踏み、何度も確認したであろう立ち位置を探りながら、ゆかさんにエスコートされて踊る。その表情は晴れやかで、笑顔がまぶしく輝いている。

くれゆかさん
帽子にトレンチコートがさまになるのは、やはり元男役