バックヤードを支えるのは一流のプロたち
「今日はようこそ非日常の世界へ…」とあいさつをするくれゆかさんの表情にも自信があふれている。13人のメンバーは、男役と娘役を自分で選んでレッスンする。今回は、男役Handsome sienneが6名、娘役Sweet sienneは7名。長い時間をかけて練習をしたとはいえ、ダンスも歌も初心者の彼らが人前で成果を披露するまでを指導するのは、並大抵の苦労ではないだろう。実際に数ヵ月前、練習風景を見せていただいた折に、「絶対にできる!」「身体に覚えさせて!」と檄を飛ばしていた姿が重なってみえた。
この日の衣装をプロデュースしたのは、デザイナーのMeeさん、そしてヘアメイクの担当は、やはり宝塚歌劇団で男役・矢吹翔として活躍し、現在はプロのヘアメイクアップアーティストとして知られるCHIHARUさん。一流のプロが携わってくれるのも、麗人たちを非日常へといざなう大きな要素のひとつであろう。

シーンが変わるたびに衣装も変わり、バックヤードはさぞ大変だろうと察するにあまりあるが、彼女たちは次々にステージをこなしていく。
今回のスペシャルゲストは、くれゆかさんと同期の元男役で、退団後もダンサーとして活動、CMなどでも活躍を続ける桐生園加さんと、現在はボディメンテナンススタジオを手がける小田島夏希さん。現役時代は、娘役・汐夏ゆりさとして活躍していた。くれゆかさんを含め、現在もメンテナンスを欠かさず、変わらぬ美しさを保つ3人が初舞台で歌ったという「明日へのエナジー」を披露。麗人たちがコーラスを務めるステージは大いに盛り上がり、観客は惜しみない拍手を送っていた。
会場内のテーブルにはくれさんと同期のメンバーも揃い、さながら同期会。彼女たちは歌い踊っていなくても、その立ち振る舞いはどこか私たちと一線を画し、ひと際輝きを放っているのが印象に残った。
