母の看取りも同じだった

わたしは母も看取りましたけど、おんなじだった。息をひきとるっていう言葉がありますけど、「ふぅ」と一生分みたいなため息をつくんです。

ため息をついて、体を「くぅ〜」って伸ばすようにして、それからだんだん硬くなってくるの。猫と一緒っていうと悪いけれど、でも似ていました。

『おばあさんと猫─ 87歳で、猫と楽しく暮らす47の方法』(著:田村セツコ/興陽館)

それで、悲しいかといえば、なんともいえない安心した感じなの。顔は微笑んでたの。

猫のときも、涙が出ると思ったら涙が出なくて、「くぅ〜」っと息をひきとったら、こっちもホッとするっていうか。それで、天国にいくんだなぁっていう感じ。

母のときもそうで、悲しくて泣くっていうよりも、ホッとしたの。