自分らしく生きて
39歳の鳴海は伯母さんの死をきっかけに、死について考え始めました。私は35歳ごろに初めて「死」を意識しました。身近な人が亡くなって、「あ、本当にみんな死んじゃうんだ」と感じました。
鳴海のように、「このまま1人で生きていくのかな。え、どうしよう?」と考えたこともあります。何かをきっかけに不安になり、不安が不安を呼んで、起きていないことを勝手に考えてますます不安になる感じは、自分にも覚えがあるし、似ているなあと思っています。
「若いころは自由だと思っていたことが、年を取ると孤独と不安に変わるんだ」というセリフがあります。自分が感じていたモヤモヤを鳴海が言語化してくれたように感じました。
<婚活も親戚づきあいもうまくいかない鳴海は、自室で1人落ち込む。だが、「1人で生きることが悪いことではない」と、これまでの生き方を肯定する。自分の本音に気づいていく過程が丁寧に描かれる>
鳴海の「今の生き方を否定することじゃない。1人の人生をいかに楽しむか。1人できちんと生きて、1人できちんと死にたい」というセリフに背中を押される人は多いんじゃないのかな。
鳴海のメッセージを私も受け取って、「その通りだ」とすごく共感できました。自分らしく生きることと、結婚しているかどうかは関係ない。私自身も自分らしく生きて死ぬという感覚を大事にしていきたいと思っています。