「話したいときに話せる。何かを頼みたいときに声かけできる。そういう生活を実現できるコミュニティは、誰にとっても理想的な環境と言えます。とはいえ、住んでいるのはみんな別々の考え方や習慣を持つ人間ですから、各自がつかず離れずの適度な距離感を保ち、互いの事情を受け入れて譲り合うことも大切。
ときにはトラブルも起こりますが、極端なことを言えば『嫌いでも知らないよりまし』でいいと私は思います。顔見知りでさえあれば、何かあったときに気づいてもらえますから」
過去に高齢者住宅の運営の仕事をしていた順子さんは、「広場」の広報担当。16年、65歳のとき90歳の母親と「ゆいま~る那須」に転居した。
「母は集団生活になじめないと思っていたため、当初は一緒の入居は考えていませんでした。ところがある日、母が足を捻挫して、バス停まで歩くのも無理な状態に。
そんな事情もあって母娘で那須に引っ越してきたのですが、ここでは送迎バスが住居の目の前まで来て、スタッフが荷物を運んでくれる。母は、『都会より便利』と言いました。92歳で亡くなりましたが、イベントに積極的に参加して交流を楽しんでいましたね」