鈴木 『婦人公論』のエッセイは、友達に「ねえねえ、ちょっと聞いてよ」と話すようなイメージで書いています。

原田 とっても読みやすい文章で、ルッキズムとかジェンダーギャップの問題など、今ドキの話題も取り上げていらっしゃる。

鈴木 毎日の生活のなかで「ん?」と違和感を覚えることってありますよね。そういうことを書きたくなるんです。

原田 なるほど。

鈴木 原田さんの小説にも、新しい働き方や収入の形、たとえば「パパ活」とか「FIRE」などのキーワードが出てきます。

原田 『月収』で描いた、パパ活の話は、かなりリアルなんですよ。あるドキュメンタリー番組で取り上げていたのを録画して観て、知識を深めました。

鈴木 へぇ! そうなんですか。そういえば、私も以前娘とお寿司を食べに行ったときに、娘が突然声を潜めて「ママ、あそこの2人、パパ活だよ」って。私は全然気づかなかったのですが、20代の娘の目から見れば、「間違いない」とのことでした。身近で、どこにでもある話なんですね。