「『婦人公論』のエッセイは、友達に「ねえねえ、ちょっと聞いてよ」と話すようなイメージで書いています」(鈴木さん)

無駄を省くばかりだと生活は味気ない

原田 鈴木さんが出演なさっていたドラマ『プライベートバンカー』は、莫大な資産を持つ一族の欲望が渦巻いていて、お金の魔力というものを考えさせられました。

鈴木 たぶんお金そのものには情緒がないから、情緒ある人間がふりまわされるのでしょうね。

原田 わあ、おもしろい。確かにお金に「何とかお願い」と言っても、言うことを聞いてくれません。実は私、昨年末にたまたま立ち寄ったデパートで、目についたワインをたくさん買っちゃったんです。

考えてみればそのときのタイミングって、家のローン返済の目途がたち、老後はこんな感じでうまくいきそう、という安心があったのだと思います。自宅に帰ってから、「先が見えて、もしかして気が緩んだ?」と反省して。これもお金の魔力だと思います。

鈴木 あら! それはワインをあけて乾杯してもよい場面だったのでは?(笑)